さようなら、モッテ画材店 2020.1

Sayonara motte

学業の街、調布市の仙川町にある名店が2019年冬に閉店してしまった。時代の変化の波云々で片付けてしまうには言葉も足りぬし、無念さしか残らない。

仙川周辺には様々な画家達が居て、モッテ画材店を愛用していた。「展示会 困った時の モッテ頼み」そんな一句が絵描きの間で囁かれるほどに、モッテの額装技術と額縁種類の豊富さは沢山の作品や芸術を支えてきた。

絵描きたちは色々あれども、モッテ主催のクロッキー道場に集まり、描画に集中した後は線路沿いの赤提灯に移動して、パァーッと打ち上げで呑んだくれていたものだ。

かなりの酒豪揃いだった。

「描くこと」とは、「作品を額装すること」とは何ぞやをモッテの大檀那氏は30年以上の時間をかけて少しずつ伝えてくれた。

情報とデータばかりが流れ行く今の時代だが、モッテ画材店で知り得ることが出来た世界をこの先も忘れる事なくいきたい。